画像生成AIは「Adobe Firefly」が最高な3つの理由

2024年6月20日 2024年6月20日

designexpro

はじめに

デザイン制作の現場では、画像生成AIが急速に普及しています。時間短縮やアイデアの具現化に役立つ一方で、生成される画像の品質や著作権の問題が度々課題として挙げられます。Adobe Fireflyは、これらの課題を解決し、高品質な画像を安心して生成できるツールとして注目を集めています。本記事では、Fireflyが最高である3つの理由を掘り下げて解説します。

この記事のYouTube動画版です。

理由1：Fireflyイメージ3の進化

生成品質の向上

AdobeのFireflyは最新バージョンのFirefly Image3において、生成品質が格段に向上しました。

Adobeの公式サイトによると、Firefly Image 3のユーザーインターフェースは従来のバージョンに比べて大幅に改善されています。新しいデザインはより直感的で使いやすくなっており、初心者でも簡単に操作できます。また、カスタマイズ可能な設定が増え、ユーザーのニーズに応じた細かな調整が可能となりました。

Firefly Image 3は、従来のバージョンに比べて、より鮮明でリアルな画像を生成することが可能となりました。これは、Adobeが最新のAI技術を取り入れ、膨大なデータセットを用いてモデルを訓練した結果です。特に、ディテールの描写や色彩の再現性が大幅に向上しており、プロフェッショナルなクリエイティブワークにおいても十分に使用できる品質を実現しています。

Firefly Image 3は、AIによる画像生成の最前線を走っています。その主な特徴として、ディテールの細部まで表現する能力が挙げられます。特に、自然な陰影や色合いの再現が飛躍的に改善されており、生成される画像はまるで実写のようです。これにより、クリエイターはよりリアルで魅力的なビジュアルコンテンツを制作することが可能となります。

以下に具体的な事例を紹介します。

事例1: サバンナを疾走するジャガー

プロンプト「サバンナを疾走するジャガー」

Firefly Image2:** 4つの画像が生成され、それぞれ悪くない品質ですが、特に目を引く要素はありません。

Firefly Image3:同じプロンプトで生成された4つの画像は、対象物がくっきりとし、臨場感や躍動感が増しています。
背景のボケ具合や動きの表現がよりリアルになり、スピード感も伝わります。

事例2: 水遊びをするアフリカ象の親子

プロンプト「水遊びをするアフリカ象の親子」

Firefly Image2:アートスタイルで生成された4つの画像は、構図やカメラアングルが少し微妙で、プロンプト通りの煽りアングルが反映されていません。

Firefly Image3:同じ条件で生成された画像は、水面から煽っているようなカメラアングルがしっかり反映され、象の皮膚の質感も非常にリアルです。比較すると、その違いは一目瞭然です。

事例3: ハイティーンの女性、うたた寝

プロンプト「ハイティーンの女性、うたた寝をしている、高校生、制服、教室、窓から夕陽がさしている、クール」

Firefly Image2:窓から夕陽がさしている背景はいいのですが、肝心の人物がなぜか目は閉じているものの微笑んでいます。顔はアニメ風で体は写実的とチグハグです。これはFireflyの弱点ですね。

Firefly Image3:少し物足りない感じはしますが、プロンプトの指示は忠実に再現されています。プロンプトの工夫でかなり改善できると思います。

理由2：新機能「構成参照」でプロ級の表現力

Adobe Fireflyは、新機能「構成参照（Structure Reference）」を導入しました。この機能により、特定の参照画像を基に新しい画像を生成することで、ユーザーの意図に沿った詳細なディテールを再現することができます。

これは、輪郭と深度を参照させる機能です。具体的な利用方法とその効果について説明します。

構成参照の利用方法:

サンプル構図のギャラリーから選ぶか、自分でサンプルをアップロードする。
人物の場合はポーズ、景色の場合は構図を参考にすると効果的。

事例:

ポーズや構図を参照させることで、特定のスタイルやタッチの人物画像を簡単に生成可能。
例えば、好きなアートスタイルで特定のポーズの人物を作りたい場合、この機能を使うと非常に便利です。これにより、あなたの表現の幅が広がり、よりクオリティの高い画像を生成できます。

この機能についての詳細は、以前の記事でも解説していますので、ぜひご覧ください。

構成参照の利点

「構成参照」機能は、特定の参照画像を基に新しい画像を生成することで、ユーザーの意図に沿った詳細なディテールを再現することができます。この機能を使用すると、生成された画像はよりリアルで自然な仕上がりとなり、プロジェクトのクオリティを高めることができます。例えば、特定の光の当たり方や影の描写など、細かなディテールがより正確に反映されます。

プロフェッショナルな結果

構成参照機能を使用することで、プロフェッショナルな品質の画像を短時間で生成することができます。クリエイターは、自分のイメージをより具体的に表現することができ、時間と労力を大幅に節約することができます。

この機能は、特に商業プロジェクトやクライアントワークにおいてその威力を発揮します。クリエイターは、クライアントの要求に応じた詳細なビジュアルを迅速に提供することができ、プロジェクトの効率とクオリティを同時に向上させることができます。Adobeの公式ブログでは、この機能の導入がいかにクリエイティブプロセスを革新するかが詳述されています。

詳しくはこちらをご覧ください。

理由3：著作権問題をクリアしているので、安心して商用利用

Adobe Fireflyは、著作権問題をクリアしている点も大きな魅力です。生成AIの利用においては、著作権問題が大きな障壁となることが多いですが、Adobe Fireflyはこの問題をしっかりと解決しています。

著作権に関する理解と対応

理由1:著作権が存在しない素材のみを学習

FireflyはAdobe Stockの素材や、著作権が存在しない素材のみを学習している。
Adobe Stockの素材はすべて生成AIに学習させることが了解されているため、安心して使用できます。

理由2:著作権に関する問題を徹底的に研究

Adobeは、Fireflyの開発にあたり、著作権に関する問題を徹底的に研究し、法的に安全な使用が可能なシステムを構築しました。具体的には、Fireflyは公開されているデータセットを使用しており、著作権侵害のリスクを最小限に抑えています。また、ユーザーが生成したコンテンツに対しても、著作権が明確に保護される仕組みが整っています。

Adobeのブログによると、Fireflyはクリエイターの作品が正当な著作権のもとに保護されることを保証しています。生成されたコンテンツに対する著作権は、ユーザーに帰属します。さらに、AdobeはAIのトレーニングに使用するデータセットに対しても厳格な著作権管理を行っており、第三者の著作権を侵害しないよう細心の注意を払っています。

具体例

他の画像生成サービスでも、以前は可能だったジブリ風やドラゴンボール風の画像生成が著作権問題で制限されることが多くなっています。
ChatGPTのDALL-E3で検証してみましょう。

プロンプト：ジブリ風の20歳の女性を作ってください→

生成されようとしますが以下の返答が返ってきました。

申し訳ありませんが、ご依頼いただいた画像はコンテンツポリシーにより生成できませんでした。
別のリクエストがありましたら、ぜひお知らせください。

安心して利用できる環境

このような対策により、クリエイターは安心してFireflyを利用することができます。生成したコンテンツを商用利用する際も、著作権問題を気にすることなく、自由に使用することができます。

著作権に関する問題をクリアしていることで、クリエイターは自分の作品を安心して公開・販売することができます。これは、特に商業的なプロジェクトにおいて非常に重要です。Adobeの取り組みは、生成AIの信頼性を高め、クリエイターコミュニティ全体に安心感をもたらしています。

以下のリンクから、詳しい内容を確認できます：

まとめ

Adobe Fireflyは、直感的な操作性、高品質な画像生成、新機能「構成参照」による詳細な表現、そして著作権問題への対応など、多くの魅力を備えた画像生成AIです。プロフェッショナルからアマチュアまで、あらゆるクリエイターにとって非常に使いやすく、信頼性の高いツールと言えるでしょう。Fireflyは無料体験版も提供されているので、ぜひ一度試してみて、その魅力を体感してみてください。今後のさらなる進化にも注目していきましょう。